GPD WINのセットアップ
11月上旬に赤札天国で注文して、11/23に到着した。素の状態だと非常に扱いにくいため、セットアップの情報を残しておく。
事前情報集め
まとまってるのは次の2つ
Redditの総合スレッド ここのまとめで知りたいことはおおよそ全部揃う
2chのスレッド
- まずは
>>2
だけみとけば十分 - 最新は18スレ目 http://echo.2ch.net/test/read.cgi/hard/1479904889/209-n
- まずは
公式で配布しているドライバ類の説明
最新版は公式フォーラム、あるいはredditのまとめスレッドからリンクが張られているので落とす前にチェックする。
Megaアップローダは一度に転送できるサイズを3GBに制限しており、OSイメージは一発で落ちてこない。
クォータに引っかかったらブラウザを立ち上げっぱなしにしておくこと。制限が解除されたらダウンロードが自動的に再開される。
OSイメージ + リカバリツール
firmware
って書いてあるが、実態は工場出荷時のリカバリツール- media creation tool でクリーンインストールするならば不要
- https://mega.nz/#F!NcBVQBDA!FK2jal9K57DU5LzRnPDJAQ
ドライバ一式
- 利用ケースとしてはクリーンインストール時にドライバを入れなおすときに使う
- クリーンインストール時はキーボードとSDカード、wifiなどがdisableな状態らしい…
- 後述のDoubleDriverで抽出すれば不要
- https://mega.nz/#F!JUATALLT!PZv98emj5e2rvtCHE0JlHA
wifiパッチ
- クリーンインストール後、あるいは中華なサイトから直接買った場合はwifiで5Gが使えないのをfixするパッチ
- 要は日本で使える帯域を捕まえられるようにする
- https://mega.nz/#!VUhTWCja!_geaVwKq3tgTkFoFlviUrbPgbhH88WdCAtg3TN88bqk
BIOSイメージ ver.2016/10/25
- 電源周りが改善される可能性があります、と謳って配布されている。正常稼働しているなら当てなくてもよい。
- 最近のロットはすでにこのバージョンが導入されている
- BIOS画面のsammaryタブでバージョンを確認可能
- https://pan.baidu.com/s/1ciQbL0
なお、届いたGPD WINのBIOSは 2016/10/25 版であった。
その他ドライバの入手先
ツール
DoubleDriver
- インストールされているドライバのバックアップとリストアを行う
- 最初起動したら取っておくとよい。MSのドライバを含めて全部やっておくとよい
- 公式のリンクが死んでるので野良で探しておく
MediaCreationTool
- MSが配布しているWindows10のインストールメディア作成ツール
- クリーンインストールがしたいのであれば必要
- https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10
BIOSの設定
いきなりこれ。とりあえず起動してみるかーとやると初っ端からwindowsが立ち上がってこないっていうこともありえる。
工場出荷状態のBIOSの設定だと充電中に起動できない状態なので設定を変更する。
なお、BIOSの設定に入るには DEL
キーを連打する。
充電中に電源が入らないのを改善
- Restore Defaultで設定をリセットする
- Advanced -> System Component の S5-Charging Driver を Disable にする
のどちらかを実施する。
スリープから復帰しない事象の予防
- Advanced -> PPM Configuration を C6 か C1 にする(デフォルトはC7)
ワタシのGPD WINの場合、充電が完了すると蓋を閉じてスリープしてても勝手にスリープが解除される事象が発生している。。 電源ボタンでスリープしてからフタを閉じると勝手には復帰しないようなので運用でカバーすればよさそうだ。
アップデートをかける
情報を見ていると、Anniversary UpdateをかけるとDirectInputモードでジョイスティックが正しく認識されなくなるみたいだが、Xinputモード + JoyToKeyでなんとかなるとふんだので最新にまでもっていく。
とにかく時間がかかった。夜に初めて全然終わらないのでそのまま寝て朝起きると無事に当て終わっていた。Redditを読むとSDカードをさしているとコケる、そもそも再起動でコケる、という情報があるので入手後一番先にやるのが安全だろう。
この後にIntelのグラフィックドライバのlatestを当ててアップデートを完了。
外部キーボードを使う
セットアップの最中は外部のキーボードを使ったほうが便利だが、工場出荷状態に日本語配列のキーボードをつけると英語配列として認識されてしまう。これはWindowsの仕様。レジストリをいじることによって接続するキーボードごとに配列を指定してやることができる。
HIDを確定する
なお、GPD WINはこのように大量に入力デバイスが認識され、かつどれがどれだかすぐに判断はつかない。 今回は1つだけ明らかに追加日時が新しく、かつ接続した時間と同一のものがあったのでそれで判断をした。
この場合、4つのデバイスはGPD WINにもともと認識されているもの、残りの1つが今つなげているBTのキーボードである。
レジストリの編集
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\HID
以下に、先ほど見つけたIDがあるはずなので探す。
掘っていくと、 Device Parameter
というキーが見つかるので、ここに以下を追加する。
キー名 | 種類 | データ | 備考 |
---|---|---|---|
KeyboardSubtypeOverride |
DWORD | 2 | 10進数でよい |
KeyboardTypeOverride |
DWORD | 7 | 10進数でよい |
LayoutDriver JPN |
文字列 | kdb106.dll |
- |
OverrideKeyboardIdentifier |
文字列 | PCAT_106KEY |
- |
KeyboardSubtypeOverrid
と KeyboardTypeOverride
の数値で配列が決まるらしい。意味するところまではここでは調べない。
SDカード内に仮想ディスクを作ってマウントする
Windowsの仕様として、USBメモリなどの取り外し可能メディアにはインストーラからアプリのインストール先として選ぶことはできない。
これを回避するために仮想ディスクを作って、それをマウントするというのが常套手段のようだ。
仮想ディスクの作り方は vhd
でググればいいとして、再起動のたびにアンマウントされてしまうのでマウントするコマンドを書いて起動時に叩くようにする。
用意するものは以下の2ファイル。automount.batを起動時に実行するように設定する。ドライブ名は適宜置き換えること。
- vhdmount.txt
select vdisk file="D\:wingpd_data.vhd" attach vdisk
- automount.bat
@echo off diskpart -s d:\vhdmount.txt
タスクスケジューラの設定のポイントとして
- 管理者権限で実行する
- 充電中でなくても実行する
を忘れないこと。
スタートメニューに野良アプリを登録する
一昔前だとランチャーを用意してアプリを起動していたが、もう21世紀になって15年も過ぎてるんだし、モダンなwindows10様の機能だけで済ませたい。
スタートメニュー内に登録されていれば
- Winキー -> 適当に文字を打つ -> Enter
という操作アプリが選ばれて起動できるようになっているのでこれに乗っかる。
C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs
上記のディレクトリにショートカットを置けば、スタートメニューでの検索に引っかかるようになる。なお、windows10 home エディションの場合、管理者権限がないとディレクトリにファイルをおけないようなので注意。
ソフトウェアキーボードを無効化する
自分の場合、物理キーボードからしか入力しないと思ったので切った。まぁ、ソフトキーボード表示させてみると画面の半分を食うから利用価値なさそう。
該当のサービスを無効化すればOK。以下のURLを参照。
画面の色調の調整
確かにメリハリがない。以下のブログの内容を参考にして設定を投入。
固定キー
Ctrl-C などを入力するときに、 Ctrl -> C という風に、同時押しをしなくても受け付けるという設定。同時押しも引き続き有効というのがポイント。以下のブログ記事を参照。
ただし、JoyToKeyでアサインしたCtrlやAltについては効いてくれない…。物理キーと同じアサイン番号を送れば効くのだろうか(未検証)
JoyToKeyの設定
セットアップの一番の肝である。これは設定する人の個性が出てくるが、自分の場合こんなポリシーで設定している。 また、自動起動はスタートアップでの起動よりもタスクスケジューラでの起動のほうがいくらか都合がいいらしい。
右アナログスティック & ボタン
- マウス操作
左アナログスティック
- カーソルキー
-
- タスクの切り替えとウィンドウ操作
右下のボタン(スタートボタン,セレクトボタン,L3,R3)
- Ctrl, Alt, Shiftなど同時押しに使うキー
XBoxボタン(Button13)はJoyToKeyの設定の無効化 <-> 有効化のトグルとして使う
- なお、ここでいう無効化とは、有効化のトグル以外は何も設定されていないconfigへの切り替えをさす。
なお、ゲームで遊ぶ時とJoyToKeyの設定がバッティングするのではと思っていたが、ゲームの実装によりけりということが分かってきた。ゲームが先に入力をとる場合もあるし、逆もある。実際にゲームを起動してちまちま対応していくしかないだろう。
おおむね満足の設定だけど、SteamがXBoxボタンの入力を取りに行って、毎回BigPictureモードに入っちゃうんだよなぁ。。うまい方法を考え中。
今のところの感想
最近はsteamでゲームをやることがメインで、かつ買ってるゲームが2Dのアクションゲームやシューティングばっかりなので、ゴロゴロしながらとか外に持ち歩けるのはいいかなーと思ってたけど、想像以上に動作が軽くて驚いてる。冷静に考えればiPhoneという代物が世にはあるからしっかり設計されたものであればバリバリ動くものが作れるのは当然であるが…
試しに先週末のオータムセールで買ったダライアスバーストを遊んでみたが、平然と60fpsで動いて、コントローラも特にラグがなく使えた。ボタンは最初触ってへにゃへにゃだなーとは思ったがゲームで使ったら10分ぐらいで慣れた。やっぱ使い込めば何とかなるもんだ。2Dゲームであればいいお供になりそう。
仕事でサクッと使えるAndroid機がほしいなーと思って先月にVernee Thorっていう中華スマホを買ったんだけど、これも若干の怪しい挙動はあれど、使うには十分すぎる性能を持ってた。何よりも余計なアプリが一切入っていないという潔さ。こんなのを作られちゃ、もう日本メーカーが入る余地は無いよな…とちょっとおセンチな気持ちになった。
と書いてたら
redditへのリンクがあるとはじかれるということを知らずに全然記事が保存できなくて2日ほど不貞腐れている間にBIOSの新バージョンが出たらしい。
GPD WIN、新しいBIOSが来てますねえ WINDOWS_F1T4 20161118.rar https://t.co/VONg63f5u8
— Adachi Jiroichi (@adachi001) 2016年11月30日
ただ、人柱度はかなり高そう。
ただGPD Winのバッテリー管理まわりは相変わらずちょっと怪しい。バッテリー残75%くらいでBIOSアップデート始めたのに、終わって再起動したら100%になってるのどういうことw(アップデート前の残容量がそのままFull Charge Capacityになっちゃったみたい)
— MIRO (@MobileHackerz) 2016年12月1日
アーカイブ落として中のドキュメント改めて読んでみたけど、最後のオペレーションすごいな…
5,Restart the computer (preferably not inserted charger), will be black screen about 1 minutes, and then restart BIOS two times, this is the process of BIOS is updated automatically, do not force the power down! (if the charger is plugged into the charging screen, you can press ctrl+alt+del to restart)
電源を挿さないほうがいい、立ち上がるまでちょっとかかるけどビビらずに待てとかなかなかハードルが高いこと書いておる。もうちょっと効果の報告が上がってから適用したほうがよさそうだな。
See Also
設定に際して参考にしたURLたち。先人たちの情報に感謝(´人`)